アイスランドの交通 (Transportation in Iceland)

四方を大西洋に囲まれたアイスランドの主要な交通手段は車です。国民二人に1台と言われるほど自動車が普及しています。アイスランド国内は島を周回する国道1号線(R1)とそこから枝分かれした道が整備されています。ずっと前にはレイキャヴィーク市内で機関車が運行されていたこともあったのですが、現在アイスランドでは鉄道は整備されていません。アイスランド国内各地はバス路線、航空路、航路などによって結ばれています。自転車、乗馬や徒歩も選択肢の一つでもありますが、基本的な移動はバスか車となります。いずれにせよアイスランド到着後、移動の中心となるのはレイキャヴィーク(Reykjavík)です。ここではレイキャヴィークを中心にアイスランド国内各所への交通手段を扱います。
当サイトでは国道番号をRxxx/Fxxxで表記しています。Rは基本的には舗装されている国道、Fは山岳道路です。

アイスランド出入国 (To and from Iceland)

アイスランドへ入国するには空路か海路のどちらを選ぶしかありません。ほとんどの国際線航空機はケプラヴィーク国際空港から、海路の場合、東アイスランドの港です。クルーズ船によってはレイキャヴィーク、アクレイリ、イーサフィヨルズルなどへ入港します。

ケプラヴィーク国際空港 (Keflavík International Airport)
ケプラヴィーク国際空港 (Keflavík International Airport)

アイスランドの空の玄関はケプラヴィーク国際空港となります。
プライベートジェットを利用の場合は空港にお問い合わせください。(isavia.is)

スミルライン がアイスランド東海岸のセイジスフィヨルズル (Seyðisfjörður) とフェロー諸島、デンマークを結ぶ定期フェリー航路運航しています。航海所要時間は約 3 日です。フェリーなので自家用車も一緒に移動できます。

セイジスフィヨルズル (Seyðisfjörður)
スミルライン事務所
スミルライン受付
スミルラインターミナル

5 ~ 10月にかけて人気も高くなっているグリーンランドを含む北大西洋クルーズの一部として多くのクルーズ船がアイスランドに寄港します。寄港地はレイキャヴィーク(Reykjavík)、イーサフィヨルズル(Ísafjörður)、アクレイリ(Akureyri)があります。

レイキャヴィーククルーズ港 (Skarfabakki) ファクサ湾港湾局

クルーズ船の大型化もあり、ほとんどの船は街中のレイキャヴィーク港でなく市内から車で約10分離れたスカルババッキ(Skarfabakki)に停泊します。スカルババッキにメインターミナルがあり、それに加えて埠頭には幾つかの係留箇所があります。それぞれの埠頭とクルーズ船ターミナルはシャトルバスで移動できます。
クルーズ船の到着場所にはタクシー、バス乗り場があります。ターミナルからの交通は各クルーズ船により異なります。

レイキャヴィーククルーズ港
レイキャヴィーククルーズ港 ターミナル待合室
スカルババッキ(Skarfabakki)ターミナル付近見取図

到着 Arrival
航路での到着の際には下船手続きがありますのでその指示に従ってください。クルーズ船の場合、下船パスが発給されます。

出国 Departure
下船前に出航の際に税金払場所についてご確認ください。基本的には各船内での税金払戻手続となっています。


免税確認
「TAX-REFUND」指定を受けた店で1回に12,000 kr以上の買い物をすると、90日以内に購入品をアイスランド国外に持出す条件で出国時に最大15%の税金払戻を受けることができます。(購入時に用紙を受け取ります。)
必要事項を記入した用紙の提示と払戻金額によっては税官吏の確認が必要です。

ツアーピックアップ、タクシー、シャトルバスサービス
ターミナルを出た場所に、ツアーピックアップ、タクシー、レイキャヴィーク市内行きへのシャトルバスサービス乗場があリます。
レイキャヴィーク市内行きへのシャトルバスの運行時間は不定期となっています。各クルーズ船の案内にてご確認ください。

レイキャヴィーク市内行きへのシャトルバス乗場
レイキャヴィーク市内行きへのシャトルバス乗場
シャトルバスのレイキャヴィークの乗場(Harpa横)

アイスランド国内 (Domestic transportation in Iceland)

自家用車を持たない旅行者にとっての最初の選択肢がバスによる移動となります。
ケプラヴィーク国際空港 / レイキャヴィーク(Keflavík Airport / Reykjavík)間をはじめ、アイスランドのほとんどの場所がバス路線でレイキャヴィークと結ばれています。
レイキャヴィーク首都圏では有料の市バスが市民の足として運行されています。料金は大人570 kr 、一回75分間有効です。料金は現金、回数券、アプリで支払ができます。また、料金は距離制となりますが、レイキャヴィーク(Reykjavík)とレイキャネスバイル(Reykjanesbær)、アクレイリ(Akureyri)、セルフォス(Selfoss)間など各地を結ぶバスも定期運行されています。料金、時刻表の詳細はストライトゥ

夏に山間部や内陸部に行くバスが運行されています。

ケプラヴィーク空港とレイキャヴィークの移動拠点となるのはBSÍバスターミナル。(22:00 〜 02:00 は閉鎖。)

BSÍバスターミナル
BSÍバスターミナル内部
BSÍバスターミナル内部

レイキャヴィークエクスカーションズの入っているBSÍバスターミナルは空港連絡やデイツアーの拠点なっています。
ターミナル内にはCOVID-19の簡易テスト用ブースが設置されています。

ターミナル内の飲食店
ターミナル外部には有料ロッカーがあります。(料金は変更される場合があります。)

ロッカーはカードでの支払のみ可能です。

アイスランド各地はレイキャヴィーク(RKV)とイーサフィヨルズル(IFJ)、アクレイリ(AEY)、エイイルスタジール(EGS)、フプン(HFN)、ウエストマンナアイランド(VEY)などが空路によって結ばれています。

レイキャヴィークからの所要時間
ウエストマンナアイランド (Vestmanna islands) (30分)
イーサフィヨルズル (Ísafjörður) (40分)
アクレイリ (Akureyri) (45分)
エイイルススタジール (Egilsstaðir) (60分)
フプン (Höfn) (60分)

レイキャヴィーク空港 (Reykjavík Domestic Airport)
レイキャヴィーク空港は幾つかのターミナルに分かれています。どちらのターミナルも市内から車で市内から車で5分ほどですが、アイスランドエアー(Iceland Air)とイーグルエアー(EagleAir)のターミナルは別の場所になりますので注意が必要です。また、チャーター便やツアーなどによっては集合場所が変更されるので催行会社で確認が必要です。

アイスランド航空 (Iceland Air)
アイスランド国内線とグリーンランド、フェロー諸島行きの路線を運航しています。
チェックインカウンターでは目的地別に表示されます。
チェックインはチケットレスとなっています。チェックインには写真付の身分証明書が必要です。
搭乗時に厳しい保安検査はありませんが、常識の範囲内で行動してください。
グリーンランドなど国際線利用客には免税店も用意されています。
ターミナル内には小さな喫茶店があります。
ターミナルの営業時間
平日 7:00 ~ 23:00
土日、祝日 8:00 ~ 23:00

アイスランドエアー(Iceland Air) ターミナル
アイスランドエアー(Iceland Air) ターミナル
アイスランドエアー(Iceland Air) ターミナル
アイスランドエアー(Iceland Air)ターミナル内の喫茶店

イーグルエアー (EagleAir)
ホテル・ナトゥラ(Hotel Natura)横のターミナルです。このターミナルの横には遊覧飛行、ヘリコプター、チャーター便などで利用される別ターミナル(建物)があります。

イーグルエアー(EagleAir) ターミナル

アイスランド島とウエストマンナエイヤル(Heimaey, Vestmannaeyjar) 、ブレイザフィヨルド(Breiðafjörður)、グリムスエイ(Grímsey)、ホルトナストルンド(Hornastörnd)などが船で結ばれています。

ウェストマンナエイヤル (Vestmannaeyar)
レイキャヴィークから南へ車で約2時間のランドエイヤフプン(Landeyjahöfn)とウェストマンナエイヤルのヘイマエイ(Heyimaey)を、ヘルヨゥルブル(Herjólfur)フェリーが約30分で結んでいます。冬季や悪天候などによりランドエイヤフプンが使用できない場合は、ソゥルラクスフプン(Þórlakshöfn)へ変更されます。(ヘルヨゥルブル)

ブレイザフィヨルズル (Breiðafjörður)
西アイスランドに広がるブレイザフィヨルズル(Breiðafjörður)は、スティッキスホルムル(Stykkishólmur)とフラトエイ(Hlatey)、ウェストフィヨルズルのブリャンスライクル(Brjánslækur)がフェリー航路で結ばれています。ブレイザフィヨルズルでは野鳥やクジラなどの野生動物に出会う機会がたくさんあります。料金はフラトエイに寄港するかどうかで変動します。所要時間は約2時間30分。

グリムスエイ (Grímsey)
エイヤフィヨルズル(Eyjafjörður)のダルヴィーク(Dalvík)とアイスランドで唯一北極圏に位置する島、グリムスエイ(Grímsey)を結んでいます。所要時間は約3時間。(グリムスエイフェリー)

アイスランド国内で自動車を運転をするには有効な該当自動車運転免許証を所持しているか、取得する必要があります。日本の自動車運転免許を取得している場合、日本の国際運転免許証の取得(各地の運転試験場で申請可能)が必要です。(警察
国際運転免許証の有効期限は最大一年間ですが、アイスランドでの滞在が6ヶ月を超える場合、アイスランドの自動車運転免許証に切替える必要があります。(欧州など他国で自動車運転免許証を取得している場合は各国の警察、管轄役所にてご確認ください。日本とは交通事情が異なりますので注意してください。)
日本の自動車運転免許証をアイスランドの運転免許証に切替える方法。(2021年2月現在。)
免許証の種類によっては下記書類が必要とされます。必要書類、条件は変更される場合があります。
詳細はシィスルメン(Sýslumenn.is)で確認してください。

  1. 申請用写真。(35 x 45 mm)
  2. 有効な日本の運転免許証を取得している。
  3. 有効期限内の日本の自動車運転免許証の翻訳証明。
    (在アイスランド日本大使館で申請可能。有料。要2〜3日。)
  4. アイスランドに6ヶ月以上在住。(アイスランドの滞在許可証を保持している。)
  5. アイスランドのID(Kennitala)を取得している。
  6. 医師による健康証明。(視力、聴力検査が含まれます。有料。)
  7. アイスランドの滞在許可証明。(Þjóðskráにて申請。)
  8. 申請料金。

アイスランドで自動車を運転する際には次の点に注意が必要です。

  • 車は右側通行です。
  • 人優先です。横断歩道がある場所では歩行者に譲るのが基本です。
  • 駐車場では体の不自由な利用者のための駐車スペースが設けられています。(要許可証。)
  • ラウンドアバウトを除く全ての場所で右側優先の原則です。
  • 運転時には前照灯の点灯、シートベルトの着用が常時義務付けられています。
  • 最高制限速度は90km/hです。市街地では30〜50 km/hです。
  • 運転時の携帯電話の使用、飲酒運転も厳しく取り締まられています。
  • 警察官、交通信号機がある場合はそれに従います。
  • 駐車場も場所によっては時間制限や、有料となるので確認が必要です。
  • 一般道路では破線と実線で車線などが表示されています。中央が実線で表示されている場所での追い越し、駐車は禁止となっています。これは街中でも郊外でも変わりません。
  • 郊外では羊、牛、馬に遭遇することがあります。事故になる可能性もあるので注意してください。
  • 給油は基本的にセルフサービスです。現金で紙幣の投入をするか、クレジット、デビッドカードによる支払いができます。(暗証番号が必要です。)
  • 写真撮影のために停車する際は、駐停車禁止でないことを確認してください。
  • ほとんどのガソリンスタンドの洗車場は無料で使用できますが、設備によっては有料となっています。

ラウンドアバウト
日本人にとって不慣れなのがラウンドアバウト(ロータリー)。しかし、アイスランドで車を運転するなら避けることはできません。
ラウンドアバウト内は内側優先になり、ラウンドアバウト内の車に優先権があります。つまり、左側から来る車の動きにも十分注意する必要があります。

冬季の道路状況
秋から春にかけては路面が凍結しやすくなります。冬季 (11〜4月)はスパイクタイヤの使用が認められていますが、過信や油断は禁物です。冬季は基本的に除雪作業が定期的に行われていますが、それでも路面が凍結している場合があります。特にアイスランドは風が強いので冬場の運転は注意が必要です。時には運転しない勇気も必要です。凍結路面での運転経験がない場合はツアーに参加する方が安全です。また、冬の終わりから春先にかけてはスパイクタイヤにより路面が荒れ、舗装状態が悪くなります。

未舗装の道路
主要道路は舗装されていますが、郊外に行くと未舗装となっている道路があります。運転しているとハンドルを取られやすくなります。また飛石などによる損傷の可能性もあります。


レンタカーを使用する場合
契約と出発前の確認事項
車種、燃料、保険適用範囲を始め全ての詳細を確認することが必要です。問題が起きた場合、契約書の記載内容が適用されます。思い込みや推測は無効です。日本語での説明がないのでアイスランド語、英語を理解できなければなりません。
出発前に車を目視でキズや損傷の有無を確認することが必要です。明るい場所で写真、ビデオ撮影しておくことをおすすめします。不明瞭な場合は、時間がかかっても出発前に確認することが必要です。
悪路を走る可能性のある際は車種、保険の種類により適用範囲に規定があります。小さな川でも橋のない部分を通過した時点で保険適用外となります。Fxxxとなっている山岳路や未舗装の道路は普通車の運転は勧められていません。凍結路面での運転経験がない場合はツアーに参加する方が安全です。ご自分の旅の目的に合った車を選択してください。契約外の運転で不具合が発生した場合、修理代金全額が請求されます。

運転時
スピード違反、駐車禁止を始めとした交通違反を犯さないように注意が必要です。現行違反で警察に摘発される場合と、証拠写真から後日レンタカー会社を通して違反金が請求されます。

返却時
返却前に軽く洗車し、返却時の車の写真、ビデオを撮影しておくことをおすすめします。
返却方法は会社により異なります。最近はレンタカー会社、駐車場に車を返却し、営業時間外は所定のキーボックスに車の鍵を投函する方法が増えています。この場合、レンタカー会社の担当が燃料や車の状態を確認し、契約に応じて最終精算されます。洗車せずに返却した場合、レンタカー会社が洗車時に、新しい傷や損傷が見つかり、請求される場合があります。

自転車も車同様、右側通行です。ヘルメットの着用が義務付けられています。街によっては自転車専用レーンがありますが、ほとんどの場合、周遊道路を含め車道わきを走ることになりますので注意してください。
バスで移送する場合は別料金がかかります